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TRPGに学ぶ死に様の話

TRPGに学んだ死に様の話

テーブルトークロールプレイングゲーム。通称TRPGですが、ゲームオタクを自負する友人に教えてもらいました。
ルールブックに沿って、剣と魔法の世界で、または現代に似た不思議な世界で遊びます。
ゲームに必要なものはルールブックと紙とペン、そしてサイコロです。

好きなサイコロの目を出す練習をしていた時期のあるルイス秋村です。どうでも良い情報ですが、練習のおかげで80%ほどの確率で好きな出目を出せました。

さて、今回のお話はTRPGについてです。
このテーブルトークというボードゲームは、複雑なルールと、かかる時間、必要な人数などの問題からプレイすることが難しいゲームで有名です。

ゲームマスターと呼ばれる進行役がいて、プレイヤーはゲームマスターが用意したシナリオを自由に探索することが可能です。
どんな世界で遊ぶのかは、遊ぶゲームのルールによって変わります。
基本的にはファンタジー世界なのですが、わざわざオリジナルの世界を作って遊ぶ人もいるほどでした。

変わった世界観のゲーム

ファンタジー世界と呼ばれる剣と魔法の世界は、プレイヤーが勇者へと成長していく様子をシナリオにします。
失敗して大金を取り損ねる人もいれば、労力を最小限に強さと名声を手に入れる場合もあったりと、各自が楽しめる遊び方ができるところがTRPGの良いところでしょう。
そして、このゲームは英雄譚として箔が付くお話を全員で作り上げていくのが醍醐味と言えます。

数あるルールブックの中に、『クトゥルフ神話TRPG』というものがあります。
クトゥルフ神話といえば、アニメ『這い寄れニャル子さん』で邪神が萌えキャラとして登場することで有名かもしれません。

世界は現代社会が舞台です。
剣と魔法の王国などありません。
一般人が邪神や悪魔、幽霊と呼ばれるものと戦うお話です。

クトゥルフのルールは非常に難しいものでした。
話の流れの大半は、邪神を召喚する狂信者の企てを阻止するシナリオになります。
しかし、一度邪神が召喚されてしまうと、人間の力では倒すことは不可能です。
阻止できなければプレイヤーだけでなく、世界が滅亡します。

理不尽ですよね。
絶対に倒せない敵と戦うのですから、底抜けに理不尽なゲームです。

召喚されると、ルールブックに定められた邪神の性格によって、どういう行動を取るかが決められています。
思いつくままに暴れて去っていくものもいれば、好奇心の赴くままにフラフラと空を飛び回るものもいるのです。

「害がなければ飛んでいても平気じゃないか」と思うかもしれませんが、クトゥルフ神話TRPGにはSAN値チェックというものがあります。
SAN値とは、日本語に訳すと”正気度チェック”です。
邪神の姿を見てしまうと普通の人間は、頭がおかしくなってしまうというルールがあるのです。
飛んでいるだけでも非常に有害なのが邪神様たちなのです。

死に様を考えるゲーム

大抵の場合、TRPGはゲームマスターを除いて4人ほどでゲームを行います。
英雄譚であるファンタジー世界であれば、風の魔法を村人に使ってイタズラを行ったり、酒場でNPCと喧嘩することで世界を救う話にゲームマスターが導いてくれます。

しかし、クトゥルフ神話TRPGでは、うまく解決できないと人類滅亡となります。
意地が悪いゲームマスターだったりするだけで、ほとんど阻止することが不可能なシナリオを用意することだってあるのです。
そんな人間側に不利な世界でプレイヤーは、死に様を考えてゲームを進めます。

現実世界の人間たちと似たようなコンプレックスや恐怖症に悩みながらも、自分たちの大切な人、大切なもののために邪神召喚を阻止するのです。
最後の一人になっても諦めずに、どうやって死ぬかを考えて謎解きをして狂信者の裏を読みます。

プレイヤーの死に方は、うっかり呼んだ邪神に殺されたり、仲間にメッセージを託したり、最後に好きな人の名前を叫んだり、大事な人をかばって死んだり、河原で喧嘩したあとにそれぞれ自害したり、狂信者を道連れにするなど様々でした。
人が死んでいく心境を疑似体験できるのはクトゥルフ神話TRPGだけかもしれません。

人が死ぬときに思うこと

拉致事件でリンチされる体験を抱える僕は、殺される直前の心境を味わいました。
普通に暮らしている多くの人が、体験することのない恐怖です。

クトゥルフ神話TRPGでは、そういった絶望感を擬似的に、そして安全に味わうことができます。

ゲームマスターが優秀であれば優秀であるほど、物語はリアリティを増していきます。
プレイヤーが賢ければ賢いほど、ゲームマスターの考えるシナリオが複雑化していきます。
相乗効果によって、ただの一般人たちの物語が英雄譚に変わるのです。

リアル社会の我々も小さな力しか持たないので、誰かにメッセージを託すことだったり、好きな人に思いを伝えたり、誰かを守ろうとすることくらいしかできません。
それはクトゥルフ神話TRPGのプレイヤーと全く同じです。
自分がピンチなときに何を行うかは、ゲームでもリアルでも、それほど大きく変わらないのかもしれません。

死に様、生き様を考えて生きるということは、命の危険を感じない現代において必要なことだと僕は思います。

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